きみの腕の中で


「よお…満月。お前がセンター歩くなんて珍しいじゃん。いつも一番後ろマイペースに歩ってくんのに」

“アカリ”に駆け寄ってきたのが女しかいなかったために勝手に“アカリ”の仲間は女だけだと決めつけたいた私は、

コンビニ前から動くことのなかった側の“アカリ”の仲間が男だったということを、今初めて知ることになった。

…そういえば、一番最初に「ミツキ」と言ったのは男の声だった気もする。

そして、その中の一人が私が“ミツキ”なんだろうと予想していた人物に近づいて話しかけたことにより、やっぱりその人は“ミツキ”なんだと悟ることができた。


“ミツキ”の雰囲気で異様に視線が彼に集中してしまうせいか、他にも似たような髪色をした人なんかたくさん視界に入っているのに

やけに彼の金色をした髪だけが目につく。

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