きみの腕の中で
状況はすぐに理解できた。
少し視線をずらせば、この金髪の子の仲間だろう…同じような髪色をした集団が、定番ともいえるコンビニの前に溜まっているのが見える。
そして、煩わしいことにそれらの目が好奇をむき出しにしてこちらに向けられている。
「どこのってなにが」
特に動揺もせずに静かに視線を戻した。
「そのまんまだよ!!」
思考力がない子なのか、自分の言葉が足りていないのが原因なのに苛ついたように声を荒げた。
ほんと煩わしい。
おそらく、住みのことじゃなくて高校のことか、族のことか…そのあたりだと思う。
どちらにしろここから遠い県の高校だし、族入りなんてしてない。
「別にあんたに教える必要はないね」
最初と変わらない声のトーンで答える。