きみの腕の中で
直後、彼女口角は満足だというように両端をつりあげた。
わざと殴られたとも知らずに。
滑稽だとしか思えず、私も口角を上げた。
「何…笑ってんだよ!!」
それを見て気に食わないらしく、また私の頬をめがけて右手を振り上げた。
「ねえ、正当防衛って知ってる?」
頬に当たる寸前
それを片手で制しながら彼女に笑いかけてみせた。
「もし私があんたを殺しても…誰も私を咎める人はいないよ。」
そして、自分の右手を強く握って…彼女へと力任せに殴りつけた。
鈍い音が響いた。
鼻血が出るまで殴ったし
彼女の体が地にしずめば、ウェッジソールで踏みつけた。
外部はその一連を呆けて見ている。