愛歌〜愛編〜
「あい…大丈夫?」
「あ、うん!平気平気。どうせ覚えてないと思ぅ。」
つい、早口になってしまう。
でも、ほんとうは大丈夫なんかじゃないよ。
だって、こんなにも心臓がドキドキしてる。
まだ…好きなんだ…
そうわかってしまうと逆につらくなる。
だってひろちゃんは私のことを昔も、今も覚えていたとしたって、ただの幼なじみとしか考えていないから。
深呼吸深呼吸。
い~っぱい息を吸って教室の中に入ったら、むせこんでしまった。
「けほ。けほ。」
「あい⁈大丈夫?」
美香が背中をさすってくれる。