たんぽぽ
梨子はちょっと掃除したらキョロキョロしてイケメンっ♪とか言ってはしゃいでる。
ちょっと呆れてきたから私は黙々と清掃に励んだ。
「おい!!」
ビクッ
いきなり背後から低い声が聞こえた。
恐る恐る振り向いてみると、いかにも機嫌が悪い顔をしている男の人がいた。
恐い…。
「その缶スチールだぞ。」
「えっ…。」
私は自分が持っていたデレッキの先を見た。
私は少しボーっとしていたのか、明らかにスチール缶だという缶をアルミ缶の袋に入れようとしていた。
「あっ、すいません!!」
「いや、別に謝らなくてもいいから。」
そう言って男の人は、さっきの不機嫌な顔とは全然違う顔で私に微笑んだ。
それは優しさに溢れてて…。
私はこの人と仲良くなりたいって思ったんだ。