教えて?センセ。
何分が経過しただろう。
あたしは自分の今の姿を想像して恥ずかしくなった。



「もう…いい?」


「…」


「塾…いかなきゃ。」



するっとあたしを離す信哉。



「塾行くためにメイクしたの?」



離すと同時にいつもの信哉に戻っていた。



「え、あーうん?」


「好きな人でもいんの?」



その質問をした信哉は優しく微笑んでいた。
その表情に少しズキンと胸が痛んだ。



「好きな人は。いないけど…」



頭の中の先生の顔をあわてて消す。



「そっか。」
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