CHERRY
はぁ…とため息をつく。
確かに、由の言う事は間違ってない、というか正論だと思う。
小学校の先生は私とキミが幼稚園で3年間一緒だなんて事を知らないし、
中学校の先生は私とキミが小学校で6年間一緒だなんて事を知らないし、
高等学校の先生は私とキミが中学校で3年間一緒だなんて事を知らない。
だから他人かみたらどぉーでもいい事。
でも私にとっては大切な事。
あの時から、キミの事を一番近くで見ていたいから。
あぁ…今年も一緒なんだって
安心した。
「ほら、ボーッとしてると先行くぞ」
「あ、ちょっとまってよ」
「ヤダ」
「はぁ?!ちょ、私方向オンチなんですが?」
「あれー?そーだったっけー?」
「そーだったんじゃなくて、そーなの!」
「あーウルサイ、ウルサイ」
「…っな!?!?」
(ダメだ…この人に何言っても無駄だった事忘れてた…)
呆れながらも由について行った。←一応方向オンチだからね…。
ガラッ
教室のドアを開ける。
それと同時にクラスメイトとなる人達から視線を浴びる。
『あんまり好きじゃないんだよね…、こーゆーの』
視線を床に落とし、座席表を見に行く。
「あっ……」
「どうした?」
「ここ…」
そう言った差した場所は
廊下が隣りにある右端の一番前。
私とキミは目を合わせ、思いを伝える。
そして由が何かを言おうとしたらガラッとドアが開いた。
目の前に由がいた為、ピョコっと顔をドアの方に出すとドアにいる子と目が合う。
「「あぁ!!」」
セミロングより少し長めのサラサラヘアー。前髪上げピンでとめていて。
パッチリ二重の目につけまつげの様なまつげ。そして可愛い顔だけどスラッとした足に170はある背丈はお姉さんを思わせる。
そーゆー子は友達に居るけれど1人しかいない。それは――…
「涼<リョウ>ちゃん!!」
「ゆず~~!!!」
「……涼」
「あ、ゆ―じゃん。ってかうちら、2人と志望校一緒だったんだ」
「……うちら、って事は蓮<レン>も??」
「当たり前じゃん。でも蓮は今頃…」
そこまで言うと黙り込む涼。