傷の行方
彼に会って 少しずつ話をした



会っている時は お見合いの話はしないで




お互いに愛し合った




彼も私も夢中だった




そして 彼がお見合いすることが決まって




どこかのお嬢様らしき人だということを聞いた



彼は私を連れて駆け落ちしようとしていた




その話を聞きながら



そんなことは無理だと思っていた



彼はいずれ



家を継がなければならない



私のように 勝手なことはできない




彼はきっと そういうお見合いで




結婚した相手を幸せにする人だ




家族を大事にする人だ




そう私は実感していた




崩したくなかった




お父様やお母様の




大事な息子のこの彼を



彼のことを愛しているから




私は駆け落ちに反対した




愛しているから




彼の幸せを祈りたかった



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