傷の行方
別れと出会い
彼の言葉と同時に



彼は私を抱きしめて離さなかった



私はただ黙って外の雨を見ながら



「泣いたらだめだ」と心に


言い聞かせていた



彼は「やはり別れることは嫌だ」と言い出した



もう私はこのままではいけないと思った


だからまた 同じ嘘をついた



「でも私も好きになりかけている人がいるよ」



そう言うと「そういうことを言うと思った」



と言って黙ってしまった



しばらくして彼は



「わかったよ」



と言って私の家まで送ってくれた




そして最後に



「ここにずっと住んでるの?」と聞いてきた



私は「そうだね 当分引越しはしないかな」



というと



「辛かったよ 元彼との思い出の家に




送る毎日は辛かったんだ」



と言った



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