傷の行方
実家に帰った時に


母親と話がまともにできなくなっていた



あの電話以来


ぎくしゃくした関係になってしまったのだ


私は思わず本音をぶつけた




ずっと言いたかった



ずっと黙ってた


傷つけないようにと心で叫んでいたことを



言葉にしてしまった



母親に泣きながら言った


「私は一体なんの為に生まれ




ここにいるんだろうか?




私は必要なんだろうか?



この先幸せを感じる瞬間ってあるんだろうか



あっても失って辛いことばかりなのかな



教えてよ 私は生きている意味あるの?」



母親は黙っていた


「私がこんな病気になったのは



目に見えないからといって私を疑って



病気なのに学校にいかせた家族のせいでしょ?



この病気が一生をだめにするなんて


思ってなかった


薬を飲まなきゃ息もできないんだよ


私はその薬を飲むことで



母親にはなれないんだよ



幸せってなに?



私の幸せはなんだと思う?



お父さんがあんな仕事じゃなくて



病気に理解もあったら



私ここまで酷くならなかった」



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