傷の行方

懐かしい湖

彼がドライブでつれていってくれた場所は



同棲していた時に夕食後たまに行った



湖だった


私達にはとても懐かしい場所



そこへ黙って車を止めて




少し橋を歩いた




そして彼は黙って湖を見ていた



私も湖を見た



その日はやたらと流れ星が見えて



湖と星と月がとても綺麗な夜だった




しばらく黙っていると


「どう?気分よくならない?



色んなことがどうでもいいじゃん



って思えてこない?」


といって笑った



彼は凄く自然が大好きで




よく釣りに連れて行ってくれたけれど



私は少しモデルの仕事もしていたから



日焼けを拒んで



あまり屋外は好きではなかった



だから夜につれていってくれていた



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