傷の行方
私は今まで家族の為に



いつも私が犠牲になって



自分のしたいことを諦めて


それでも誰も


気がつかないで


それが悲しくて時々



ひとりになっては



人生を考えていた


でも私は家族を心配することは


なかった


家族の誰かを心配することは


しなかった


本当は私は



自分のことばかり考えていたんだ


それを思ったら


男の前では絶対に


涙は見せないなんて


誓っていた私だったが



うずくまって泣いた



彼は黙って背中をさすってくれた



「親は大事にしないとな



死んでから後悔しないようにな」


と小さい声で言った





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