傷の行方
彼も彼のお父さんと同じ



心臓病で毎日食後に



薬を飲まないとならない身体だった



彼に対しても



「命」を粗末に扱った私の


行動や言葉は



情けなく 弱く そして失礼で



最低なことをしていたのだ



私はもう一度自分をしっかりと



見つめなおし


そして家族を大切にし



そして私自身成長をして


償いたいと思った


きっとそれが



今まで傷つけた人に



小さい私ができることだと


思った


自分だけが苦しくて


悲しいなんてことはない



自分だけが薬を飲まないと


生きていけない身体ではない


彼は湖を見つめながら



心穏やかに話をして



私に絶対忘れてはいけないことを



教えてくれた



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