傷の行方
「それって怖い なんで?」



というと彼は



「お前ひとりだと何するか心配だったから」



と笑って言い



「だから見てるひとは見てるんだって」と



言った



彼は私と別れてからも見守ってくれていた



そしていつも



私が知らないところで



心配してくれていたのだ



母親から連絡があって



しぶしぶ来てくれたのだと思っていた



でも実際は



母親からの連絡は嬉しかったと言った



「彼氏がいるなら大丈夫かと思っていたけど



最近なんか変だと思ってたんだよね」


と言った



彼を好きな女性達は私を



憎んでいる



その中には姉の友達もいる



けれど彼は



「気にするな 何かあったら俺に言って」



と言ってくれた



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