傷の行方
けれどそんな私を


目のかたきにする女が現われた



ただ私の黒目が大きいというだけで



ただ私の黒い髪が綺麗だというだけで


ただ私が男から



ちやほやされているというだけで


ただ私が会社の上司から



可愛がられているというだけで



その女は絵に描いたような



「女」をむき出しにしてきた


私は無視をした


そんなことで私の仕事に



問題が起きたら困るからだ



それでも毎日のようにその女は



トイレで会うと



正確には私の後をついてきて



トイレで会うと



「あんたはずるい」とか



「あのムカつくんですけど」と


とにかく文句を言ってきた



真剣な顔をしてだ



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