傷の行方
私に「黒目が大きくていいですね


私うらやましいんじゃないですよ


ただ見てると何もしてないのに


不公平だって思うんです



私は黒目を大きくするコンタクトを



買って頑張っているのに



顔をみているとイラつくんです」



と言っていた


私は無視し続けた



こんなことは慣れている


いつだって会話をしたこともなく


私の内面なんか全然知らない人に


外見で妬まれるのは慣れていた


けれどここまで



単刀直入にいう女も珍しいとは思った



そして私は順調に仕事もこなしていった


ある日その女の件で



私は現場の上司に呼び出された



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