傷の行方
それなのに無視されたり


嫌な態度をとられたりして」



と顔も見たくないと


自席にティッシュペーパーの箱を積み上げ


斜め前の私が完全に見えないようにしていた


彼女からそんなことを言われた



まともに聞いたら


それは私が悪いという状態を


彼女は創り上げたのだ



けれど事のすべてを知る上司は


「おいおい 何で急にそんな話になるんだ?」


と彼女にいうと


女の武器と言われる涙を


簡単に流した


すると会社からすると


お客様にあたる現場の上司が


わざわざ会社にやってきて


彼女が「私が呼んだんです」と言った



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