傷の行方
今回のことで私はこの世界に見切りをつけ


父親の仕事をつぐことも考えた



それが発病のきっかけとなった


私は自分ひとりで立てないのだろうか?


私にとってこの世界は


正しくてキレイで


犯罪もかわいいものなんて思っていた


暴力暴言のない世界


でも違った


言葉という暴力があった


それは肉体的な暴力よりも


確実に正確に


相手を落としいれ


傷つけ


見えないから罪の意識もない


醜いものからは目をそむけ


私の思い描いていた世界ではなかった


それに気がついた時から


発作が出始めた



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