傷の行方
傷が増す
雨が降っていた
12歳の時だった
父親がうちに来て
しばらく泊めてくれと
母にヘラヘラ話していた
私は猛反対した
けれど 兄弟も母も
何も言わなかった
反抗期だった私は
父親が寝ている間に
父親の荷物をすべて
外に放り投げた
雨で濡れた荷物に
父親が気づいた瞬間に
私は意識を失い
そして気がついたら
近くの公園の
すべり台の下に
倒れていた
私は呼吸する度に
胸が傷み 心はなくなっていた
しばらくして
母の声が聞こえてきた
私を呼んでいる
私を探している
12歳の時だった
父親がうちに来て
しばらく泊めてくれと
母にヘラヘラ話していた
私は猛反対した
けれど 兄弟も母も
何も言わなかった
反抗期だった私は
父親が寝ている間に
父親の荷物をすべて
外に放り投げた
雨で濡れた荷物に
父親が気づいた瞬間に
私は意識を失い
そして気がついたら
近くの公園の
すべり台の下に
倒れていた
私は呼吸する度に
胸が傷み 心はなくなっていた
しばらくして
母の声が聞こえてきた
私を呼んでいる
私を探している