傷の行方
医者
身体はボロボロになっていた



あざもすぐにできてしまって




顔も腫れあがってしまった




雨は強く降る



母親が傘をもって



私を見つけ


救急車を呼ぼうとしていた



でも私はなんて言う?


どうしたか聞かれたら



なんて応える?



医者には行かないと言った




「父親にやられました」



絶対に嫌だった


父親をかばうのではなく


ただ 可哀想にと思われることが


嫌だった


私も自業自得だと


ちゃんとわかっていた




その日 足を引きずりながら


身体を電車に乗せて



父親が帰る日まで



母親の妹の家に行き



そして そこから学校へ通った


次の日も雨は降っていた
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