傷の行方
「不倫してるんでしょ!」


といきなり 全く覚えのない


発言に私はビックリした



そこへマネージャーと部長がやってきた



ずっと前に 同期の子が撮った私の写真



それが妻子持ちの男性の


机に入っていたという



「私が…不倫で家庭が壊れた私が


そんなことすると


本気で言っているんですか?」



悔しい気持ちと激しい怒りは



深い悲しみに変わった



信じてくださいと言っても



3人とも信じてくれなかった



それでも 辞めろと言われるまでは


絶対に辞めないと



心に誓った



彼女は自分の存在の


意味がなくなってしまうと


焦り 嫉妬から同期の子が


いたずらをしたことを


利用したのだ



どんな嫌がらせをされても


私から辞めると言わなかった



すると 彼女はハッキリと言った



「あんたはいつか


私を越えると思っていたけれど



早すぎたの。私はもうこの年で



転職できないの。消えてくれる?」


そしてまた不倫の話を


マネージャーにして


辞めてくれと言われた



私は 疲れきっていた
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