傷の行方
「なんで泣いているんだ!


お前この子に何をした」



すごい勢いでまた始まった


なんだこの入学式



なんだこの学校はと思った


そして私は


「私の名前はさっきから


言ってる名前じゃないけど」


というと先生達はやっと気がついた



こっそり私を呼び出し



「すまなかった まぁ初日だし


名前と顔が一致してなかっただけだ」


といって笑った


私は「悪いんですけど皆の前で



謝ってくれますか?私にさせたように


自分が悪かったと教壇に立って



ちゃんと説明をして私に謝ってく

ださい」と言った



するとそれは勘弁してくれと言われた


ちゃんと「ごめんなさい」が



言えない大人には


ならないようにしようと思った


情けない顔が今でも浮かんでくる


今考えればそんなことは


小さな出来事の一瞬でしかなかった
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