傷の行方

泣いた日

久しぶりに泣いたのは



親友を殴った時だった



私は高校では



父親の仕事がバレていなかった



そして中学の卒業アルバムが


まだ広まってなかった時



おとなしく過ごそう



髪も黒くして


制服もなにもしないで


真面目に勉強をしようとしていた


ところが 親友は定時制の友達を作り


その連中とつるみだして



性格が変わってしまった



もっとオープンに生きていたはずなのに



影で陰険なことをし始めていると聞いた



族の連中だった



久しぶりに親友の家に



遊びに行った時だった



親友は青白い顔でドアを開けた



私にひたすら謝っている


事情がよくわからなかった

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