傷の行方

自己責任

どういうわけか父親は



姉も弟もいるのに



私ばかり連れ出した



クルージングが多かった



そして同じ世界の子供と会わせて


結婚させようとしていた



中学2年の男の子



一見普通に見えるけど



上半身にとても綺麗な絵が



背中から腕に彫られていた



今のタトゥーとはまったく違う



刺青だった



私はその人の



お兄さんの



一見普通の高校生の年くらいの人と



話をした



お互い最初は海を黙って見ていた


この世界で同じように育った人だ


なんで



寂しそうな顔をしているのだろうと



思っていた

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