傷の行方
親も子も選べない悲しみ



同じような孤独を感じた



私はまだ小学校低学年なのに



2人きりになった時



「恋人同士みたいだね」と言われた



私は海を黙って見ながら



なぜか寂しそうな彼に



少しだけ笑いながら頷いた



優しい目をしていて



優しい声で素敵な人だった



でも 私はイヤだ



私には決めた事がある



この世界から出ていくこと



一般の人と普通の世界で



普通になること



それにこだわって生きてきた



ホテルのベッドメイキングの



バイトがバレたら



大変なことになる



まともな仕事に就けても



父親の事がバレたら



会社をクビになる



それは今も同じ



なんでも 父親に邪魔されていると



私はいつも 父親のせいにした



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