涙
手に少し重い何かが乗った、温かくて・・・でも少し震えてる。
「ッ!!」
それは彼の手だった―――
「翔!!」
「な・・・く・・・・な・・・・」
「なに?もう一回言ってよ!!お願い!!死なないで!!」
「な・・・くな・・・おれ・・・は・・・だい・・・じょ・・・う・・ぶ」
途切れ途切れの言葉を大事に、大事に聞いた。
「うんッ!!うん」
そのとき、ドアが開いて、中に誰かが入ってきた。
「翔!!」
それは翔の家族だった―――
「おい・・・大丈夫か」
心配そうに見つめる蓮君・・・。
目に涙をためて見つめるお母さん・・・。
そのお母さんの手を必死に握っているお父さん・・・。
みんな・・・みんなあたしのせいで―――
ごめんなさい―――