あたしはマックスに近い、鈍感である。

これが”恋”だと気づくのには、ずいぶん先のことであった。

「ねぇ~一瀬・・・もし・・・もしだよ?もし・・・知ってる人が―――」

なんだろう・・・いきなり・・・それを言ってからもう・・・10秒くらいかかってる。
10秒は今のあたしにとって長い時間だった。

深刻そうな顔をして、なにから考えているような顔をして・・・あたしを見ている。
少したってから「やっぱ、なんでもない」そういったんだ。

「なに?気になる!教えてよ!」あたしは粘った!

―――ようやく彼の口が開いた。

「知ってる人が・・・」彼は震えていた。

声も、手も、唇も・・・なにもかもがそして・・・




















「死んだら・・・一瀬は・・・どうする?」





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