「翔?帰ってきたのね!用意した?もうすぐ行くわよ」

・・・用意・・・?






・・・あぁぁぁ!忘れてた!!!やばッ!!!


俺はそのまま自分の部屋に駆け込んだ。

楓のことばっかり頭にあって、かんじんな事は忘れてるなんて、ありえないだろ?

俺は鞄に荷物を詰め込むと、もう一生かえってこれないかもしてない、俺の部屋を見渡し、部屋を後にした。



「しょう~大丈夫?」

下から母さんの声が聞こえる
「大丈夫~」
適当に返事をしてから母さんのところまで向かった。

「母さん、荷物は何処に置いとく?」
「玄関においといてちょうだい」
「わかった、で?まだ行かなくてもいいの?」
「そうね・・・そろそろ行きましょうかね」
母さんとしゃべっていた俺は、父さんの姿がないことに気がついた。

「母さん、父さんは?」
「あ、お父さんね、今、車あらってると思うけど・・・」
車?また・・・なんでだ?

まぁ、いいか・・・



――10分後・・・

「翔?出るわよ」
「わかった」

がちゃ・・・家の扉が開いた瞬間、眩しい太陽の光が俺を照らした。
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