「眩しい・・・」
小さい声で言ったにもかかわらず、母さんはちゃんと俺の声を聞いていた。
「眩しいわね~」

そういって、止めていた車の中には、もうすでにクーラーがついていた。
その中には涼しそうな顔をして父さんが乗っていた。
「おぉ、来たか、じゃあ早く乗りなさい」
全員が乗ったのを確認して父さんは、車を出した。

何分たったのだろう・・・やっと俺が通うことになる病院に着いた。

「でっけぇーな・・・」

何階建て?すごく大きな建物に驚く・・・こんなところに、俺は入院すんのか?

「さぁ、翔?行きましょう」
「あぁ・・・」

ウイーンっと音をたてて、病院の扉が開いた。

母さんは受付に行って、そこにいた人と何かを話していた。
俺は父さんと待合室に座った。
母さんは受付をすませたのか、こちらに向かってくる。
「翔?行きましょうか・・・もう入っていいってよ?」

早いな・・・いま座ったばっかりなのに・・・俺は「よっこいしょ」っといかにもおじさんが言うような台詞をいって椅子から立ち上がった。


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