「あ・・・あの・・・ごめん!」

とっさに謝ったが、彼女は放心状態だった。
あわあわとしている所に、タイミング悪く・・・母さん達が入ってきた。
その光景とは、彼女は口を押さえて俺を見ていて、俺は彼女の手を握っていた。

それはそれは、俺にとってはすごい光景で・・・母さんたちは「なにがあったの?」っと聞いてきた。


「こんにちは・・・ごめん、帰るね」


この沈黙を破ったのは彼女で、ていねいに俺の親にあいさつをして、病室を出て行った。

「なにがあったの・・・」

それに続いて母さんが口を開いた。
「別に・・・なにもないよ・・・」
ぶっきらぼうに、言い捨てた。
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