「あら?何?」

母さんが、楓がもって来てくれた”フルーツバスケット”を指さした。

「それ?楓が・・・さっきまでいた人が持ってきてくれたの」
「あら~そーなの?もっと早くいってちょうだい」

眉間にしわを寄せて母さんは俺を見てきた。
でも・・・さっきの状況からして、言うのは無理だったよね???

「次はちゃんと言うから・・・」

これしか答えが出せなかった。

「あ、翔・・・今日は診察とかないのか?」

今まで黙っていた父さんが口を開く。
「あるよ、血液検査がね・・・」
「本当か!大丈夫なのか?翔」
「あぁ―――たぶん・・・」

父さんがここまで言うのも無理はない・・・俺は大の注射嫌いだ!!!
本当はいやだけど、俺は頑張ると決めたんだ。だから頑張る!!なにがあっても弱音なんえ吐かない!どんなきつい検査でも、頑張ってみせる。

「もうすぐ来るんだよ・・・」
ちょっと緊張してきた・・・
「そうなの?じゃあ、今日はこれくらいで帰りましょうか」

母さんは父さんに言って、帰る私宅をしていた。俺は緊張というか・・・怖いというか・・・なんというかで落ちつかない・・・そこに母さんがなにやら思い出したように、バッグをあさっていた。
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