「これ、前におじいちゃんから貰ったものでしょ?元気でるかな~って思って」

そういって母さんが出したのもは、少し色がおちて茶色くなった木箱だった。
「じゃあ、今日はこれで帰るわね!あ、そうそう・・・明日は用事でこれないの・・・ごめんね」
「ううん、いいよ」
「そう・・・じゃあね」

一人になった病室にカタカタっと言う音が響き渡った。
その音とは、さっきもらった木箱を開ける音―――

「あ―――」
中がら出てきたものはオルゴールだった・・・思い出したけど、これはおじいちゃんの形見だ。
死んだおじいちゃんが、おれにくれたもの・・・

ネジをまいて、音が鳴るか確認した。



♪~手を離した瞬間に、やわらかい音色に包まれた。
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