◆ イノセント・イノセンス



まさか、杏に何かあったのだろうか



「血の雨だ……」


生徒のひとりが呟く




やっぱり僕の目の錯覚じゃない



色水のように薄かった赤は
だんだんその色を濃くしていく


やがて本物の血のような
鮮やかな赤になった



それが分かると
教室中は叫び声で満ちた
他の教室も同じなようだ



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