ちょっと涼しくなる話…①
三名様ですか?
ある、の日曜日の事です。
久しぶりに、休みが取れた私は、ブログ仲間のMさんと、会うことになりました。
お昼少し前に、Mさんの家の前に着きました。
「こんにちは」と言いながら、Mさんが車に乗り込んできました。
ふと、その時、何とも言い表せない、違和感を感じました。
それも、Mさんの明るいキャラと、マシンガンの様なトークに、あっという間に掻き消されました。
ファミレスに着くと、日曜日の昼時にしては、さほど混雑もなく、入り口で見られる長蛇の列はありませんでした。
扉を開け中に入ると、マニアル通りに、店員が声を掛けてきた。
「いらっしゃいませ。お客様、3名様ですね」
店員が言ったその言葉に、何のためらいもなかった。
私とMは、二人揃って後ろを振り返った。
誰も居ない。
店員の視線は下を向いてた。
足元に子供でも居るのかと思い、下を見たが誰も居なかった。
「二人です」と私が答えると…
「失礼しました」と言いながら、また、マニアル通りの質問を続けた。
しかし、その店員の顔には動揺してる気持ちがそのまま出ていた。
店員には、実在して居ない誰かが、ほんの一瞬だけ、見えて居たのだろう。
車の中で感じた違和感は、今になって思えば、三人目の誰かが居たからだろう。
完