Quiet Christmas.
「そっちの方が現実味が無いだろ。」
亜利哀は笑顔を見せる。
「さすがにあんたの夢の中まで…。」
彼はその唇を塞ぐ。
歯列をなぞって、舌を絡ませる。
脳を溶かして、キスだけで立てなくさせてやる。
そう決めた彼は、やはり実行した。
腰に回した手に亜利哀の体重がかかってくる。
「…ん…っ。」
神聖な場所だ。
静かで。
あたしとこいつがキスをしても誰も怒らない。
誰も邪魔をしない。
彼は亜利哀の耳元で囁いた。
「愛してる、メリークリスマス。」
繋がりが無いその単語に何故か、涙が零れた。