猫の世話は大変です。


「…おはようございます」

手櫛で髪をときながら、気まずそうに樹理が言った。
栗色に近い長い髪は一度とかれたら真っ直ぐに重力に従った。

朝日が髪に反射してキラキラしているそ。まるで樹理は天使みたいだった。


「おはよう。また涼の部屋に来たのか」


「う…ごめんなさい…」


「別に来てもいいんだよ。ただ、樹理は女の子なんだから、いくら涼が幼なじみだからって言って安心しきってはダメってことを言いたいんだ」

…遠回しに俺が樹理に手を出す輩と言ってないか?



―馬鹿なっ!
そんな恐ろしいことしたら、逆にこっちがフルボッコにされるよ!


「はぁい…」


「後、昨日は言い過ぎた。ごめんな?」

彼はベッドに腰掛け(その隣で俺ベッドから落ちて転がってます)、既に泣きそうな顔をしてる樹理の頭をポンポンと撫でた。


「ううんっ…!私が馬鹿なのがいけないから!」


「勉強教えてやるから期末は頑張ろうな」


「うんっ!」

うわぁ、眩しい笑顔…。
曇った天気が一瞬で晴れたみたいだ。







…それはそうと、そろそろ俺に気づいてもいい時だと思うんだけどなぁ。


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