猫の世話は大変です。


そんな彼も食べる時と寝てる時だけは可愛らしい。
大好物のオムライスを食べている時なんて、ファンが見たら発狂ものだろう。


「涼兄の目玉焼きって固さが丁度いいんですよね~」


「そりゃどうも」

…君に調教されましたから。


「お前らあんまりのんびりしてるなよ?俺は樹理のところ行ってくるから」


「「はーい」」

やっぱり勇は俺達のお父さんだなぁ。



「ねぇ、涼兄」

台所で目玉焼きを焼いていると、しっかり皿も準備して席に座っていた千暁に呼ばれた。


「ん~?」

目を離して焦がしでもしたら、今自分を呼んでいる張本人から恐ろしすぎる罰が下されるので、声だけで反応した。


「勇兄って天然タラシですよね」


「えっ!?何いきなり」


「涼兄よりタチ悪いです」


「ま、まぁ…。でも、勇はその気ないからなぁ」


「僕のクラスの子が昨日勇兄にナンパされてるところを助けられて、家まで送ってもらったそうです」

うーわー。
それはノックアウトだね。


「それが勇だから」

としか言えない。
彼の中ではそれが常識ですから。


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