猫の世話は大変です。


―今思えば、あの時から既に俺のポジションは“ここ”に決まっていたんだと思う。


確かに思い返せば、小さい頃の思い出と言ったら、樹理と千暁に泣かされたものばかりだった。
勇との思い出が貴重な“子ども時代のキラキラした思い出”だと思う。

そう思うと、自分は今のポジションになる運命しかなかったのかな、と確信してしまった。
出来れば気づきたくなかったよ…。






と現在、帰ってきたら我が物顔で俺の部屋にいた樹理に言ってみたら、

「今まで気付かないなんて、幸せな頭」

と真顔で言われてしまった。
あれはさすがに堪えたね。



「涼はあの時から私の下僕。げ・ぼ・く、ね」


「勇の前でそれ言える?」


「…」


「ねぇ」


「あー最近、体鈍ってるなぁ。ちょっと何か殴り「あぁああぁ!ごめん!ごめんなさい!嘘です!」


うん。
こんなんだから、下僕にされちゃうんだよね。
…おかしいな。
俺、学校ではモテまくりのプレイボーイなのに。


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