猫の世話は大変です。


「あは。涼本当に弱~」


「うるさいよ。…で、今日は何しに来たの?」


「!!…えっ、ぁ、う…涼が眠れないだろうと思っ、て…」



ど も り す ぎ

確実に嘘でしょ!
なんで18の男が寂しいくらいで寝れないの!どんだけ俺のこと寂しがりやだと思ってんの!


「樹理…。すぐバレる嘘はつかないほうがいいよ」

溜め息を吐きながらそう諭すと、樹理の瞳にうっすらと涙の膜が張った。
彼女は本当に正直な人間だと思う(顔だけ)。こんなに分かりやすく顔に出る人間を俺は彼女の他にもう一人知っている。



「…千暁に苛められた?勇に説教でもされた?怖い夢でも見た?」

出来るだけ優しい声で問いかけた。
なんで18の幼なじみの女の子にこんなことしてるんだろう。

たまに彼女が10歳ほど離れた妹に見える。


「ぅ、全部…」


「うわー…」


「千暁、面白い映画があるからって、一緒に見たらホラーで…。逃げようとしたら、捕まって」

その時の光景が目に浮かびます。
千暁のあの黒い(けれど心底楽しそう)笑顔が浮かんで、寒気がした。


「三時間…」

長っ!!
あの子本物の鬼!


「…で、帰ったら、勇がいて…。すっごい恐ろしい顔してたから嫌な予感して…逃げようとしたら、捕まって」

うわ、デジャブ。


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