猫の世話は大変です。
顔を真っ赤にして半泣きの樹理はたまらなく加虐心をそそると思う。だから、あなたは千暁に苛められるんだよ。
それにこのパターン何回目?
そろそろ学習してほしい。
「うん。樹理は一人で寝るのが怖いんだよね?」
「…うるさいっ」
素直じゃないお姫様だ。みんな見た目に騙されている。
ちょっとつつけば、こんな人間味溢れる人なのに。
「いいよ。一緒に寝よ」
ほら、こう言ってあげれば嬉しそうに擦り寄ってくる。
手なづけるのは意外に落だ。というか、単純だから扱いが落。
(たまに面倒くさいけど)
「ねぇ、早く寝よ。眠い」
「だねぇ」
「ねぇ、今までどこ行ってた?何してた?」
「眠いんじゃないんですか、樹理さん」
「気になるから。さっさと言え」
怖っ。
「んー…別に、ただ奥さんと飲んでただけ」
「奥さん…?どの?」
「ほら、前樹理に喧嘩売った人」
「!!あいつ!まだ続いてたの!?あり得ない。さっさと別れろ!」
「別れろって…」
命令ですか。
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