猫の世話は大変です。


「KYなところも勇だと紳士になるの」

差別もいいところだよね!
KY=紳士なんて絶対成り立たないからね!?KY≠紳士だから!


「ただ勇はちょこっと恋愛のネジが外れてるだけだから」


「嫌な紳士だね…」


「何とも思ってもないくせに、気をもたせるくらい優しくしたりさ」


「ダメじゃん」


「うっさい、黙れ。お前なんかが勇を悪く言うな」


「横暴な」

いつでも樹理は女王です。
そして俺は差し詰め爺やくらい。
勿論彼女の中の王子様は鈍感KY紳士の勇です。なんか納得いかないよね。



「…あぁ、明日学校行きたくない」

心底嫌そうに樹理が呟いた。
樹理は昔からサボりの常習犯だ。よく一、二年の頃は俺と授業をサボって屋上でグータラしていた。

現在、樹理は勇と同じクラスになってしまい、もうそれは遠い思い出になったけれど。



「ねぇ、明日サボろ。海行きたい」


「ダメ。俺が勇に怒られる」


「バレなきゃ大丈夫!」

よくそんなことを…。
やっぱりこの子の頭に“学習する”という言葉はないらしい。


「説教された次の日に俺と休んで、誰が本当に体調不良だと思う?」


「みんな!」


「思うか!」

近所のおばちゃん達でも思わないよ!


「俺+樹理=サボりってゆうのがみんなの頭には既に成り立ってるんだよ」

勿論、我らの父(的存在)・勇にも。彼が一番痛感してるはず。


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