不良達の姫様。・.*
―――朝
俺は、誰かに頭を突かれた。
その感覚が、誰かに似ていて。
重たい瞼を開くと、莢が笑っていた。
見た瞬間、気持ちが混乱し、気付いたら抱きついていた。
強く強く抱きしめた。
「苦しいよ…。日向」
そんな事を言いながら、抱き返してきた。
「ごめん…。
もっと早く見つけていれば」
莢は“ううん”っと首を静かに横に振った。
「勝手に動いたからなんだ。
……だから、日向は悪くない。
日向が見つけてくれた時、とっても嬉しかったよ」
「日向、ありがとね」
莢は、満面の笑みで俺に笑ってた。
「っ!!!」