不良達の姫様。・.*




――海だぁ!!


昨日も来たけど…。
夜の海はまた違う海に見える。

暗くて、孤独で。
人がいない、…ただ1人ぼっち。

朝の海とは全く違う海。
……面影もない。

「……似てる…」

呟くと後ろから誰かに頭を撫でられた。


――この手、知ってる。
大きくて、心地よくて。

ドキドキさせる人。

「日向…」
「みんな、莢を呼んでる」

後ろを見ると、笑顔で手招きしてくれていた。


日向はあたしを見た。
「…思い出してたのか?」

悲しい目で、あたしを見た。
…初めて言われた言葉……。







< 149 / 239 >

この作品をシェア

pagetop