不良達の姫様。・.*
――ガシッ
「っ?!」
後ろから、手掴まれた。
振り帰らなくても、誰だか分かってる。
「…莢」
――ほら。
ずっと守ってくれてた人。
ずっと、傍に居てくれた人。
「黙って行くな…」
いつも優しく、
温かい腕の、
――勇樹。
腕を引かれ、勇樹の胸の中にスッポリ収まる。
頬に、熱いモノが伝わった。
「…ごめん…このままで……」
勇樹、泣いてるの?
…泣かないで。
勇樹を抱き返した。