不良達の姫様。・.*
「莢が俺を好きじゃないことぐらい、……痛い程、知ってる。
俺が何年…莢を見てきたと思ってんだ?」
う、そ…。
…分からなかった。
勇樹があたしの事、そんな風に見てたなんて。
勇樹には、沢山助けてもらった。
このまま、ずっと一緒にいれると思っていた。
――けど。
知らない間に、あたし達は大人になって行く。
「あたしっ……勇樹にいっぱい…いっぱい……迷惑かけちゃった…のに…。
…ごめんっ。
あたし、勇樹のこと…好きだよ。
……だけど…勇樹の好きとは…違う…」
こうやって、離れる時が来るなんて――
「行けよ! また会えるんだしさ!」
“また会える”
……。
そっか。
一生のさよなら、じゃないんだ。
また、会えるんだ。