不良達の姫様。・.*
「莢。上がってきなさい」
優しく言うお父さんに、あたしは階段を上り舞台に上がった。
「さぁ! 皆さん。
この場を借りて私の愛娘の婚約者を発表いたしましょう!!」
黄色い歓声と拍手が沸き起こった。
え…?
え……?
ちょ、ちょっと待って!!
婚…婚約者ぁ~?!!!
「お父さんっ! そんな話聞いてない!!!」
みんなに聞こえないように小さく吐く。
「言ってなかったんだ。
喜んでもらいたくてな」
はぁ~?
全然っ!
ってか! ちょっとも喜べないっ!!
あたしは日向の所を見る。
日向も吃驚した顔をしてる。
他のみんなも吃驚した顔をしてる。
そんなっ!!!
「では。私の愛娘。莢の婚約者は…」
ダ、ダダダダダダ…ダンっ!
という音楽に合わせてライトに照らされたのは、
超イケメンの人。
だけど、みんなには負けてる…。