不良達の姫様。・.*
「……やっ!…莢ぁ!さ〜やぁ!!」
何だ……?
ぼやける視界。
誰かが、あたしに跨がってる。
まぁ、大体予想できるけど。
「莢、起きろ!!」
「ゆ…き…?」
目の前の男、――勇気は二っと笑い……。
ガバッ!
「ふぎゃっ!!」
「シャンプーのいい匂いがするぅ〜♪」
……ちょっと。
あたしの髪に、顔埋めないでくれません?
それにあたしの上に寝転がられたら、起きれませんが?
「勇樹、起きるから退いて」
「ぇ……」
……でた。
勇樹の得意技。
泣きそうな子犬の様に、目をウルウルさせる勇樹。
……。
可愛いけどさ?
確かにあたしより、何百倍も…何千倍も可愛いけどさ?
「そんな顔してもダメ。出かけられないでしょーが」