不良達の姫様。・.*
「……あたしは舞蝶。
汚ねぇ手を使う奴らが大好物、なんでね」
再び雰囲気を取り戻し、男を見た。
男は顔を青ざめさせる。
「……あんたに聞く。
あんたがケンカをする意味はなんだ?」
総長は当たり前っといったようにあたしを見た。
「自分の欲望を、埋めるためだろ」
目に見えない早さで総長の前に立った。
「チゲぇよ。
今度会う時まで、本当の理由を考えとけ」
男は喉を鳴らした。
「…じゃなきゃ。俺があんたらの族を潰す!」
ちょっと殺気を出して睨んだら、
尻尾をまいて逃げて行った。
固まってあたしを見ている猛に近づいた。
「猛! 大丈夫? 誰かに伝えなきゃ!」
猛はあたしを見て、目を爛々とさせた。
「たけるっ! 誰かの連絡先!」
猛はニッと笑ってから川岸を指差した。
「大丈夫。もう、とっくに来てる」