不良達の姫様。・.*





思い出したくない記憶。
段々、体が震えてくる。

みんなは、悲しそうな目であたしを見る。


「お…」

言うのが怖い。

皆の見る目が代わりそうで。

「あたし、その時、死んじゃおうかな?

死んだらどんなとこ行っちゃうんだろう?
って事ばっかり考えてた。


そんな時、
あたしに手を伸ばしてくれた人がいた。

その人、人気者で…初恋の人になった。


初めて、幸せって思える事が出来た。

初めてのデートは、地元の祭りだった。
とっても楽しかった。


だけど、その帰り道、
道路にケガをして、
倒れていたウサギを助けようとしたあたしを…かばって。


……………死んじゃったの………。

あたしのせいなのに。
あたしのせい…なのに……。

その人は最後まであたしの心配をして、
『莢、泣くな。笑え』って言ってくれた。


でも、その事を知った女子たちが、
あたしをトイレに連れて行き、

汚いモップを水につけあたしの顔に…押し付けた。




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