八つの想い
「さて、どこかおいしそうなところはー・・・。」
私はその辺を見渡す。
ドクンッ
「っ?!」
背中を冷や汗が流れる。
今一瞬何か・・・。
「こっち!!!!!」
私は何故か背中を押されるように一直線に『その』場所に向かう。
そこに呼ばれているような気がして・・・。
「こころっ??!!」
弘明の驚いた声が後ろから聞こえる。
無数の走る音が私を追いかけてくる。
「こっちから!!」
「おい、こころっ!!!!」
私に追いついて横にくる弘明。
眉間に皺を寄せて叫ぶ。
「団体行動だっつったろ?!」
私はその声を無視して映画村の路地裏を抜ける。
複雑な建物を何個か抜けたところで足を止める。
はぁはぁ・・・
みんなの息を切らした声が聞こえた。
さっきまで晴れていた晴天も今は切りで覆い隠されている。